西八王子駅すぐ近くの興岳寺へ出かけよう

西八王子駅から歩いて行ける興岳寺の歴史

萬松山興岳寺は、1592年(文禄元年)に、武田家の家臣であった石坂勘兵衛が建立した菩提寺(先祖代々のお墓がある寺のこと)です。主君である武田信玄やその息子が豊臣一族によって滅ぼされてしまったため、石坂勘兵衛は徳川家康の勢力と合流しました。ちょうどその時期に建てられたのが興岳寺なのです。1809年の火災や、1945年の戦時中の米軍による八王子空襲などで、燃えてしまった御堂もありますが、本尊は当時の状態で残っています。

興岳寺は卜山和尚（ぼくざんおしょう）という高名な僧侶によって開かれました。のちに「仏国普照禅師」の称号を受けたこの卜山和尚は120歳まで生きたといわれており、戦国時代の八王子においてとても徳が高いとされていた有名人です。

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西八王子駅のすぐ近くにある興岳寺の魅力

興岳寺は西八王子駅を出て、北東に500メートルほど歩いた場所にあります。歴史が古く見どころはたくさんありますが、まずは御本尊にある薬師如来像を見てみましょう。金色に輝く薬師如来像は医療をつかさどる仏像です。薬のツボを左手に持っているのが特徴です。薬師如来像の徳の高さは大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来とならび、仏教において最高位です。そして、その脇には日光菩薩と月光菩薩の像があります。筆者は特に仏教を信仰しているわけではないですが、3体の像を見たときに、何か慈悲深さのような不思議な感覚を覚えました。お寺巡りが好きな人や仏教に関心がある人以外でも十分に見る価値のある仏像だと思います。

本堂の右手には如意輪観世音菩薩像が鎮座しています。手には宝珠を持っており、右手を膝に置いているのが特徴で、苦しさや悩みから救ってくれるといわれています。この菩薩像からは、慈悲深さより威風堂々という印象を受けます。本堂の左手には興徳稲荷が祀られています。日本では家内安全・商売繁盛を叶えてくれると崇められている興徳稲荷ですが、源流であるインドでは荼枳尼天（だきにてん）と呼ばれており、元は人を食べる神だったようです。

興岳寺の墓地の入り口には、聖観世音菩薩があります。不幸を背負った人が必死に祈ると、願いが通じて救ってくれるといわれています。興岳寺においては、永代供養墓を守る役割も担っています。この他にも寺内には水子地蔵などもあり、水子供養も行っています。

興岳寺では茶道教室が毎月開催されています。流派は、表千家流の茶道と、清泉幽茗流の煎茶道の2種類です。歴史あるお寺での本格的な茶道には格別の趣があります。上級者だけでなく、初心者用のクラスもありますので、興味がある人は電話やメールで問い合わせてみましょう。興岳寺では茶道教室の他に、お経を声に出して読み心身を活動的にする読経会や、集中力を養うための写経会なども開催されています。

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歴史好きの方には西八王子駅すぐ側の興岳寺

西八王子駅から歩いて5分ほどの興岳寺には歴史ある建物や仏像があり、都心にいるのを忘れてしまうくらいの落ち着いた雰囲気を堪能することができます。歴史好きの方は、武田家の家臣である石坂勘兵衛の逸話など調べてから行くとより楽しむことができるでしょう。西八王子駅を利用している人や付近に住んでいる人は、ぜひ興岳寺に足を運んでみてください。住宅街の騒がしさを忘れることができる寺内で、観光や文化活動を楽しみましょう。

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