マンションの部屋を借りるとき、注目しておきたいのが「分譲賃貸」の存在です。分譲賃貸とは分譲マンションのひと部屋を賃貸として借りるというものですが、基本的には通常の賃貸マンションを借りるのと勝手は変わりません。しかし、分譲賃貸には一般的な賃貸マンションとは異なるメリットやデメリットも存在するので、事前に違いを理解しておくことは大切です。そこで、分譲賃貸物件の特徴や選ぶ際に気をつけておきたいこと、よく起こるトラブル事例などについて説明していきます。
目次
「分譲マンションを賃貸することができるのか」と、不思議に思う人もいるかもしれません。分譲マンションとは、周知の通り「販売を目的とした物件」のため、マンションの一室を購入して住宅ローンを毎月支払っていくというものです。ローン返済をすべて終えていれば、管理費や固定資産税など以外は、特に支払う必要がなくなります。それに対して、「分譲賃貸」は「分譲」とはあるものの、基本的には賃貸物件のことを指します。借り手は毎月かかる家賃や2年に1度の更新料を支払うので、こういった点では普通の賃貸物件と変わりがありません。
特徴としては、賃貸マンションの建物丸ごとを大家さんや不動産会社などが持っているのではなく、物件を買った一個人がオーナーとして貸し出しをしていることが挙げられます。分譲賃貸は「転勤などの理由で住むことができなくなった」といったオーナーの事情などにより、分譲マンションの一部屋が賃貸物件として出されているものです。
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分譲賃貸は販売目的で建てられたものです。したがって、入居者が快適に暮らせると感じてもらえるような「売り」を多く兼ね備えています。借り手側はグレードの高い住居空間を賃貸できるという点でお得と言えます。一般的な賃貸住宅は、賃貸目的で建てたマンションの各部屋を入居者に貸しますが、分譲賃貸は販売目的として建てられています。そのため、魅力的な設備が整えられていることも多いです。
たとえば、浄水器や生ごみのディスポーザー、床暖房などが設置されていることが珍しくありません。また、住宅によってはシステムバスやシステムキッチン、IHコンロなども設置されていることがあります。グレードの高い設備が搭載されているため、より快適な住環境で生活できる可能性が高いです。
分譲賃貸にもメリットとデメリットがあります。引越しを検討する際には「通常の賃貸マンションに比べて分譲賃貸を選ぶ必要性はあるのか」と、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。すでに述べたように、分譲賃貸にはお得なことがいくつもあります。しかし、設備の充実は、家賃が高くなるおそれがあります。
また、個人オーナーとの契約は、オーナーの人柄や賃貸に対する考え方によっては、人間関係でストレスを招きかねません。後悔のない引越しをするために、分譲賃貸に住むうえで発生する可能性のあるメリットとデメリットについて見ていきましょう。
まず、分譲賃貸の魅力として、IH付きのシステムキッチンや広々としたリビング、機能的なバスルームといった、質の高い住空間で生活できることが挙げられるでしょう。オートロックやTVつきインターフォンなど、防犯面の設備が充実している可能性も高いです。しかも、あくまで賃貸のため、これらの設備の魅力を享受しつつも、購入ではないので固定資産税を払う必要はありません。広々とした空間はくつろぎやすく、友人を呼んでのホームパーティを開催するといった、広さを有効活用したイベントを開くこともできます。
また、分譲マンションの多くは、共用スペースが充実している点も特徴です。マンションによってはジムや展望スペースなどが設置されていることもあるでしょう。さらに、建物のカテゴリは分譲マンションなので、隣近所は基本的に部屋を購入している人が多いです。そのため、近隣住人のマナーが比較的良いことも特徴のひとつに挙げられます。
反対に、デメリットには何があるのでしょうか。普通の賃貸物件と比べると、充実した設備や広々とした空間があることから、やはり家賃が高くなる傾向が見てとれます。そのため、一人暮らしよりはファミリー層に向いていると言えるでしょう。また、オーナーが一個人のことも多いため、場合によっては赴任期間のみなど、賃貸できる期間が短いケースもあります。さらに、オーナーが借り手とのあいだに設ける賃貸の条件と、マンション全体の管理規約の2種類を守らなくてはならないこともデメリットと言えるでしょう。このため、通常の賃貸マンションと比べると、必然的に自由度が少なくなってしまいます。
分譲賃貸の物件数自体が少なく、手に入れるのが難しい点もデメリットに挙げられます。高い家賃を払っているのに部屋の広さや設備の良さを活かしきれずに持て余すこともあるなど、場合によっては損だと感じるケースもあるでしょう。オーナーが賃貸することに慣れていなかったり、部屋に強い愛着があったりする場合には、通常は経年劣化として認められる凹みでも修繕費を要求されるなど、トラブルの原因になるおそれがあります。
誰もが住環境においてトラブルを避けたいものです。効率的にトラブルを回避するためには、どのようなトラブルが起こり得るのかを事前に理解しておくことが大切です。そうすることで、トラブルを未然に防いだり、実際にトラブルが発生しても早期に解決できたりする可能性が高まります。分譲賃貸の物件に住む際に起こる可能性のあるトラブルについてまとめていきます。
分譲マンションの管理規約が、マンション自体の規約とオーナー独自の規約で異なるケースがあります。これは、オーナーが意図的に行う場合もあれば、認識の違いから規約が異なってしまったという場合もあります。オーナーといえども、すべての管理規約を把握しているとは限らないので、トラブルに発展することがあるのです。
たとえば、マンション側はペット不可なのに対してオーナー側は可としていたり、楽器が演奏可能な時間帯がマンションとオーナーの規約のあいだで異なっていたりすることがあります。オーナーとの規約を守ることも大切ですが、第一優先すべきはマンション全体の規約です。マンションの規約違反を行ったら、最悪の場合は退去せざるを得なくなる可能性もあるので注意しましょう。
賃貸では、敷金を事前にオーナーへ預けておくことが一般的には行われています。退去時に借り手の不注意が原因の傷や汚れがある場合に対してのみ敷金が利用され、部屋に問題がなければ返金されるのが普通です。ここで大切なのは、入居前にオーナーと退去時の原状回復について、認識をすり合わせておくことです。認識の違いがあると、あとで金銭的トラブルに発展するおそれがあるので注意しましょう。
特にオーナー側が分譲賃貸マンションを投資物件として運用していた場合、貸したときと同じ状態で部屋が返ってくると思っている可能性もあります。そのため、高額な原状回復費を請求されるケースもあるので注意が必要です。ただし、日常生活で発生するテーブルやイスによる床の凹み程度なら、経年劣化とみなされて借り手が費用負担をする必要はありません。原状回復は「入居前と同じ状態に戻すことではない」ことを覚えておきましょう。
近所トラブルにはさまざまなものがあります。ごみの捨て方、子どもの走る声や泣く声、および楽器演奏などが規約上問題なかったとしても、居住者のなかには迷惑だと考える人もいるかもしれず、トラブルの元になりえます。また、マンションのパーティールームや共有スペースでゴミを散らかしたり、態度が悪かったりなど、マンションにおける日常生活がトラブルになることもあるでしょう。
分譲マンションは、住民の多くが部屋を購入しているオーナーです。したがって、資産価値が落ちる行動などに厳しい人もたくさんいます。分譲賃貸では、一般的な賃貸感覚で住むとトラブルが起こりやすいと認識しておきましょう。購入者は賃貸で住んでいる人よりも「自分の家」という感覚があるため、些細なことにも気になるというケースが多いです。
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分譲賃貸にはたくさんの魅力がありますが、デメリットもまたあることがわかりました。そのため、賃貸を検討するうえで注意したいこともいくつかあります。どのような点に気をつければ良いのか、以下の段落で見ていきましょう。
分譲賃貸を検討する際には、マンション全体の管理規約とオーナー独自の賃貸契約内容をそれぞれ把握しておくことが、トラブルを未然に防ぐうえで重要です。あらかじめ契約内容をしっかりと理解しておくことで、入居後のトラブルに発展するリスクを回避できます。
マンションの管理規約違反のことであっても、オーナーの認識が薄く、賃貸契約上で可能にしていることもあるかもしれません。特にペットに関してはオーナーがこっそり飼っていたという事例もあるため、必ず確認しておくことが望ましいです。
分譲賃貸の物件を選ぶ際には、管理会社が賃貸のためにオーナーとのあいだに入っているかを確認しておくと良いでしょう。何かトラブルになった際の相談先を理解しておけば、いざという場合に頼りになります。
オーナーの多くは、何らかの事情があって自宅を賃貸に出さなければならないという人たちです。そういうケースでは、賃貸に関してはいわば素人なので、管理会社が仲介していないと部屋にトラブルなどが発生したときの対応が遅くなるおそれがあります。管理会社はトラブルの対応に慣れているため、トラブルの解決も迅速に行われるでしょう。
分譲賃貸の物件に住む際は、一般的な賃貸とは違い、さまざまな人の管理が関わってきます。その関係性を把握したうえで、一般の賃貸物件と分譲賃貸マンションを比較してみてはいかがでしょうか。契約関係に関しては多少複雑になるものの、分譲賃貸は設備が充実していたり部屋が広かったりと、さまざまな魅力があります。住環境をより良いものにするためにも、分譲賃貸という選択肢も検討していきましょう。
この記事を書いたライター
アエラスグループ コラム編集部です。
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